先日の北海道にて、たまたまであったが、3/5に乗った普通列車(苫小牧〜長万部、長万部〜函館)は、廃止または系統分割であることをが判明している。今にして思えば、じつにのんびりした気楽な移動であった。
北海道新幹線開業に伴い、早い列車は要らない、のんびりした列車がいいとかいう皮肉めいたコメントが多数寄せられている。しかし実際、のんびり移動というのは至極大変なこと。
そこでこのページでは、普通列車だけでの汽車旅を想定して、北海道でのんびりした気楽な移動ができると思われる長距離(中距離)普通列車を選ぶことにした。
十選にしたつもりが、11本取り上げている。正しくは9本+次点クラス2本なのだが、その辺はご愛嬌ということで勘弁いただきたい。
(付記)本記事は2016年3月改正の情報に基づくものであるが、2017年3月の情報を付記してある。
宗谷本線 (321D〜4323D〜4325D, 4234D〜なよろ4号)
発駅 | 発時刻 | 列車名 | 着時刻 | 着駅 |
---|---|---|---|---|
旭川 | 06:02 | 321D/4323D/4325D | 11:56 | 稚内 |
発駅 | 発時刻 | 列車名 | 着時刻 | 着駅 |
---|---|---|---|---|
稚内 | 05:14 | 4324D/快速なよろ4号 | 10:28 | 旭川 |
まずは何と言っても宗谷本線。この記事で取り上げた通り、普通列車が少ないので、この路線から紹介しないとならない。
いずれも直通列車であるが、やはり下りの321D〜4323D〜4325Dを推薦することになると思う。塩狩峠を越え、天塩川沿いを進み、そして最後に見えるであろう利尻富士。北の果てに向かうということを実感できる列車だと思う。
惜しむらくは、音威子府で10分停車(8:53-9:03)するが、名物音威子府そばの開店が、公式には9:30であること。ちょうど、8:55発のスーパー宗谷2号との交換あるので、開いていても不思議ではない が実際はどうなのだろうか。
(2017年付記)2017年3月時点では、快速なよろ4号の発車繰り下げにより一列車ではなくなった。
根室本線 (2427D)
発駅 | 発時刻 | 列車名 | 着時刻 | 着駅 |
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滝川 | 09:40 | 2427D | 18:01 | 釧路 |
今や全国的に有名になったと思われる、最長距離鈍行*だ。時間帯もいいので、乗り甲斐もある列車だと思う。今回も列車番号が変わったことでも注目されている。また、札幌から滝川まで普通列車で向かうことも容易だ。
2429D時代に乗車したことがあるが、個人的な車窓のオススメは、やはり狩勝峠(落合〜新得)、そして、尺別付近の太平洋だと思う。その尺別は交換待ちするので、駅の栄枯盛衰ぶりもしっかり見て欲しいところである。
上りは、これという列車が思いつかないが、強いてあげると、釧路を 5:42 に出発する新得行き2522Dだろうか。この列車に乗ればその日の内に乗車券(18きっぷ、北海道&東日本パス含む)だけで、函館まで日着で移動できる。
*補足(2016/3/20): 最長距離鈍行は再び JR 西日本に移動するみたい。(369M 岡山16:17→下関23:50)
(2017年付記)2427Dは現時点では、東鹿越〜新得間不通により直通していない。一方、現時点では最長距離鈍行に該当する。
石北本線 (4621D〜4659D, 4620D)
発駅 | 発時刻 | 列車名 | 着時刻 | 着駅 |
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上川 | 06:23 | 4621D/4659D | 12:23 | 網走 |
発駅 | 発時刻 | 列車名 | 着時刻 | 着駅 |
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遠軽 | 16:12 | 4620D | 20:05 | 旭川 |
上下列車とも、上川〜白滝を含む列車で、特快きたみを除くと1日1往復の列車に該当する。
ただ、どちらも難点があって、下りは上川に一泊しないといけないし、上りは、上川から先は暗くになってしまうことになる。
そういう点で、上りの方がオススメかと思われる。上りの特徴は、上川〜白滝において、オホーツクと交換するので57分かかる (特快きたみは38分)こと、そして、上川で58分も停車すること。本当にのんびり旅したいなら、この時間も退屈なんて思わないことだろう。(逆に退屈するなら、きっとのんびり旅は、まだできないと思う)
ちなみに、特快きたみのおかげで、札幌〜網走は普通列車だけで日着圏になる。下りは札幌 10:07発 (ただし、旭川で二時間半近く待つことになる)、上りは、15:58に札幌に着く。
(2017年付記)4621D〜4659Dは時刻表表記上は、直通ではなくなっている。また4620Dは遠軽発車が16:35となった関係もあり、上川での停車は22分になっている。
函館本線・函館〜長万部 (821D, 2841D)
発駅 | 発時刻 | 列車名 | 着時刻 | 着駅 |
---|---|---|---|---|
函館 | 08:18 | 821D | 11:20 | 長万部 |
函館 | 14:31 | 2841D | 17:52 | 長万部 |
函館本線・函館〜長万部は、今回改正で直通は下り3本上り5本になる。景色の良さははここで紹介した通りであるが、結局、使える(オススメできる)列車はこの2本だ。
14:31発の列車は、下り直通で唯一の砂原経由になる点がポイント。ただこの列車で、札幌までその日のうちにたどり着けず、長万部〜洞爺を特急北斗17号を使うことで可能になる。
なお、上り方向は、札幌のからの乗り継ぎ考えると2842D (長万部13:21発)か 2844D (16:14発) あたりが便利だが、普通列車だけで函館に向かう場合は、2844Dに限られる。昼間は豊浦〜長万部がネックになり、2842D では洞爺〜長万部を特急に頼らないといけない。
函館本線・札幌〜旭川 (923D, 2150M)
発駅 | 発時刻 | 列車名 | 着時刻 | 着駅 |
---|---|---|---|---|
札幌 | 06:00 | 923D | 08:58 | 旭川 |
発駅 | 発時刻 | 列車名 | 着時刻 | 着駅 |
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旭川 | 06:28 | 2150M | 09:19 | 手稲 |
実は、時刻表を眺めていて、札幌から旭川まで直通の普通列車があることに気がついた。しかも下りの923Dは、架線下DCだからまさに特異列車だと思う。さらに、富良野線経由で、根室本線2427Dに乗り継ぎも可能なので、究極の汽車旅モデルルートにしてもいいかもしれない。
不思議なのは、上り方向(札幌に戻る)の気動車の運用が見当たらないこと。岩見沢から回送で札幌に戻すのだろうか。
上り方向は電車だ(これを入れるかどうか悩んだ)。こっちの方はおそらく 721 系だろう。また札幌に9時前すなわちラッシュ時到着なので、岩見沢からは汽車旅感はなくなるとは思う。
千歳線・室蘭本線 (2726D, 2843D)
発駅 | 発時刻 | 列車名 | 着時刻 | 着駅 |
---|---|---|---|---|
札幌 | 06:20 | 2726D | 09:07 | 東室蘭 |
発駅 | 発時刻 | 列車名 | 着時刻 | 着駅 |
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室蘭 | 20:10 | 2843D | 23:09 | 札幌 |
最後もどちらかというと特異列車。札幌方面から苫小牧を超えて室蘭方面に向かう普通列車で、どちらも架線下DCだ。ただ、どちらも長万部から(へ)の接続はよくない。
室蘭からの列車は、いれるかどうか悩んだが、夜行気分を味わえる列車としてあえて含めてみた。
その他
釧網本線と花咲線も車窓はいいが、一日数往復あるので割愛している。あと、普通列車乗り継ぎの観点で一番ネックになりそうのは、長万部と石勝線だ。長万部についてざっくり言うと、午前中には乗り継ぎできないと判断した方がよさそうだ。後者は乗り継ぎ時刻表を作成している。
他、十選の中で、5245D/5246D (札沼線新十津川まで直通する列車)は意図的に含んでいない。札幌から近いし、列車というより浦臼〜新十津川の各駅が主役だと思うのが理由だ。
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